【Memory〜はがされた時間〜】

オフィスキューとテレビ朝日系北海道テレビ(HTB)が
コラボレートしたリーディングドラマの舞台、
【Memory〜はがされた時間〜】を。
2006年12月30日深夜に北海道ローカルで放送されたものです。
ネタバレしていません。


まずはラインナップから。
作・演出でクリエイティブオフィスキュー社長の鈴井さんと
5人の女性たち・・・何故だか飯野さんは載っていないので
オフィスキューのプロフィールからこちら

リーディングドラマの舞台ですから
出演者が本を朗読します。
女性たちは全員刑事役、読む本とは容疑者の供述調書。
【Memory〜はがされた時間〜】は警察の取調室が舞台の密室劇です。
舞台上には容疑者(飯野さん)と3人の女性刑事。
出演する女性は5人ですから公演5回で毎回キャストが変ります。
放送されたのはHTBアナウンサー小野優子さん、森さやかさん、
オフィスキューから北川久仁子さんの組み合わせ。

読み上げられた供述調書から彼の生い立ち、
彼が抱えていた(抱えるしかなかった)事情と背景、
事件の内容と全貌が明らかになっていきます。
事件は既に起こっている訳です。
彼は認知症の実の母親を母の同意の上で殺した容疑で
この場にいるのです。

おおくま座とこぐま座のギリシャ神話。
オスカー・ワイルドの『幸福の王子』。

以前ならただ可哀想・・・だけだったと思います。
でも父が倒れて何度か公的な機関に相談に行きましたが
窓口の対応は舞台で語られるような感じでした。
相手にとっては大勢の中の一例でも
こちらは切羽詰まっていてのSOS。
でも聞き入れてもらえず落胆した分疲れは倍増してしまう・・・。
担当者や役所の対応に腹を立て、
身動きがとれずに追い詰められていく男の気持ちが
今なら実感できます。
母ひとり子ひとりで支え合ってきた母子。
その母が自分の名前も住所も息子の顔も存在さえも忘れてしまう。
大事な人に忘れられるほど辛いことはない。

舞台上の取調室はドラマや映画で見るような無機質な感じではなく、
温かな印象でした。
テレビの画面からなので位置関係が良くわからないのですが、
舞台の一角に水が流れていてそれが照明に反射していました。
『無縁坂』『言葉にできない』の一節の朗読が
男の心情を代弁したりして。

ささやかな夢も未来も失くしてしまった男が出来ることは
恋人の未来を守ること。
彼の最後の願いは彼女だけはこの渦に巻き込まないこと。

ストーリー自体はそんなに凝ったものではありません。
でももし再演される機会があったら
またはDVD化されることになったらご覧になってみて下さい。
彼の立場になって、正気が蘇っている時の母の立場になって、
そして彼の恋人・・・元恋人さなえの立場になって。

「私はあなたを忘れません。
あなたのことを忘れはしません。」

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