「サルバドールの朝」(スペイン/イギリス 2006年)

1974年3月2日、フランコ支配末期のスペイン。
バルセロナ生まれのサルバドール・プッチ・アンティックは
政治犯として処刑された。
サルバドールの朝 [DVD]サルバドールの朝 [DVD]
レオノール・ワトリング ダニエル・ブリュール
アミューズソフトエンタテインメント 2008-03-26
by G-Tools



 札幌では昨年秋に上映されました。
 "本命"としていたのですがどうにも都合が合わず・・・。

1970年代初頭、フランコ政権末期のスペイン。
自由解放運動のグループに所属する25歳のサルバドール。
仲間と密会する予定だったバルセロナのカフェで
待ち構えていた刑事たちと銃撃戦になり、
そしてサルバドールの銃弾が若い警察官を死なせてしまう。
正当な裁判を受けられないまま彼は死刑を宣告される。


「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」を観た時、
「白バラが紅く散るとき―ヒトラーに抗したゾフィー21歳」(絶版?)で
"白バラ"や"ショル兄妹"を知っていた私は
無意識ですが登場人物やエピソードを補っていました。
これは白バラより30年ほど後の時代ですが
もっともらしい主義主張を振り回しても
銀行強盗はそれ以上でも以下でもないし。
恋人の住所を勝手に連絡先にしたりと軍事政権下で
周囲を巻き込むことの危険性がわかっていたのかどうか。
前半部はサルバドール達に全く共感出来ずに正直閉口しました。
実際何処までがフィクションなのか良くわからず・・・。

政治活動家だったサルバドールの父は
死刑判決を受けながら恩赦された過去を持つそうで、
でも性格が変って別人のようになってしまったそうです。
看守ヘススの心を揺さぶったのはサルバドールが父に宛てた手紙。
この父子の関係・・・サルバドールだけでなく姉妹に対してもですが、
この家族に焦点を絞った方が良かった気がします。
面会に来た姉妹、特に妹との会話を聞くと一層そう思いました。
私がサルバドール・プッチ・アンティックという人を知らず、
またフランコ独裁政権を「パンズ・ラビリンス」でしか知らないために
そう感じてしまうのかもしれませんが。

後半サルバドールの顔が何度も映し出されます。
表情が無くなってくる・・・視線が虚ろになっていく。

唐突に登場して木を切ったりしていたお祖父さん。
この人は一体何者?・・・と思っていたらこういうことでしたか。
その少し前、弟との別れを惜しむサルバドールの姉のひとりに
得意気に話していた男の下衆さにも唖然とするばかりでした。

サルバドール・プッチ・アンティック
享年25才
「最後まで希望は捨てない。」
B000ULV3AA.jpgサルバドールの朝
サントラ パウ・リバ レナード・コーエン
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル 2007-09-19

by G-Tools

4773807091.jpgサルバドールの朝―鉄環処刑された一アナキスト青年の物語
フランセスク・エスクリバーノ 潤田 順一
現代企画室 2007-10

by G-Tools

4061838423 The German version.jpg白バラが紅く散るとき―ヒトラーに抗したゾフィー21歳 (講談社文庫)(画像はドイツ語版)
若林 ひとみ フィンケ Hermann Vinke
講談社 1986-08

by G-Tools

コメント

Secret

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

サルバドールの朝/ダニエル・ブリュール

203.131.194.84実話に基づいた作品と知ると内容問わず何でも観たくなってしまうんですよね。そういうのが全部が全部いいとは思ってはいないけど、何かしらの形で心に響いてくる事が多いのも確かなんですよね。この物語は1970年代初頭のフランコ政権末期のスペインを舞台に不当な裁判で....

「サルバドールの朝」感想 衝撃でした・・ 

66.160.206.137スペインでは知らない人はいないという、Salvador・Puig・Antich の実話。私は、この映画のある部分が、ものすごいショックで、ちょっと引きずって??.

『サルバドールの朝』

210.165.9.64(原題:Salvador (Puig Antich))----ダニエル・ブリュールって久しぶりって気がするよね?「うん。一昨年とかはたくさん出ていたのに、日本に来るのは『戦場のアリア』以来じゃないかな」----彼ってドイツ映画が多いと言うイメージがあるけどこの作品はスペインが舞台なんだよね。「そうなんだ。ダニエルの生まれはバルセロナ。父親がドイツ人、母親がカタルーニャ人。本人はドイツ語とスペイン語の両方を話せる。他にも英語、フランス語に秀でていて、この映画ではスペイン語とカタルーニ

サルバドールの朝

210.172.160.154サルバドールの朝(2006 スペイン・イギリス)原題   SALVADOR  監督   マヌエル・ウエルガ   原作   フランセスク・エスクリバノ   脚色   ユイス・アルカラーソ      撮影   ダビ・オメデス                  音楽   ルイス・リャック               出演   ダニエル・ブリュール トリスタン・ウヨア      レオナルド・スバラグリア ホエル・ホアン   ファシズムは第2次世界大戦後、沈静化したかのように思われてい

サルバドールの朝

203.131.194.841970年代のスペインで反政府活動を行っていた青年サルバドール。彼はある日、待ち伏せしていた警官と乱闘になり警官の一人を射殺してしまう。逮捕されたサルバドールには死刑が求刑されるが、彼は独房の中でも戦い続けていた。スペインに実在した活動家の青年、サル...

サルバドールの朝

210.165.9.64もっと、生きたい。

サルバドールの朝:SALVADOR

210.165.9.64サルバドール・プッチ・アンティックの魂の真実を伝えたい! 新年早々、ちょっと辛い内容の映画紹介から始まっちゃいました。昨年11月16日、京都シネマにて鑑賞した「サルバドールの朝」です。 歴史に、うとい私は、スペインという国の政治が長きにわたってフランコ独裁政権だったことを知りませんでした。それもほんの30年前までそんな状況だったとは、驚きです。何でもフランコ国家首長は1947年から1975年という28年の間、ず〜と国民を押さえて自分の地位を保持してきたというので

当時の時代背景を恨めしく思うしかないのだろうか。『サルバドールの朝』

210.165.9.64フランコ政権末期のスペインに実在した、若きアナーキスト、サルバドールの物語です。

「サルバドールの朝」

210.128.67.57「Salvador (Puig Antich)」 2006 スペイン/UK主演はドイツ、スペイン ハーフで、「青い棘/2004」「戦場のアリア/2005」のダニエル・ブリュール。監督はスペイン人のマヌエル・ウエルガ。カンヌ映画祭(2006年度)ある視点部門正式出品作品。スペインの独裁政権であったフランコ将軍に反撥した若きアナーキスト(無政府主義者)たちの人間ドラマ。 1970年代初め、スペイン、バルセロナ。23才のサルバドール・ブッチ・アンティック(ブリュール)は、ただ世の中を変

この死が人々を動かす

133.205.94.3268「サルバドールの朝」(スペイン) 1970年代初頭のスペイン、フランコ政権末期。世界を変えたいという一心で反体制活動をしていたグループがあった。彼らは労働者闘争資金を提供するため、強盗を繰り返し、秘密警察に追われていた。 そんなある日、彼らが捕らえられる混乱の中、不慮の発砲事件が起こり、若い警部が死亡。この一件で引き金を引いたサルバドール・プッチ・アンティックは正当な裁判もされぬまま死刑を宣告される。 死刑執行までの残された時間、家族、友人、弁護士らは不当な死を回避するた..

映画『サルバドールの朝』を観て

202.72.52.1074.サルバドールの朝■原題:Salvador■製作年・国:2006年、スペイン■上映時間:104分■鑑賞日:10月6日、シャンテ・シネ(日比谷)■公式HP:ここをクリックしてください□監督:マヌエル・ウェルガ□脚本:ルイス・アルカラーソ□製作:ハウメ・ローレス□...

サルバドールの朝

203.80.26.39実話を元に作られた映画です。1970年代初頭、フランコ独裁政権末期のスペインで、正義と自由を信じ、社会を変えようと理想に燃えていたサルバドールは、仲間達と反体制運動に身を投じていました。資金調達のために銀行強盗を繰り返す彼らに警察の捜査の手が伸び、激しい銃撃戦

『サルバドールの朝』

210.128.67.57その若き命に心うたれる。ほんの30年前の出来事の衝撃は、ただの遠い国の過去の物語ではないと思うから。1970年代のスペイン、フランコ政権末期。反体制活動をしていたサルバドールという青年が警官との銃撃戦の末に逮捕された・・・。フランコ将軍率いる反乱軍が1936年に引き起こしたスペイン内戦を描いた映画はいくつか観てきたけれど、その内戦終結後に長期に渡って続いたフランコ独裁体制時代のことはほとんど知ることもなかった。西ヨーロッパの国で70年代半ばまで、民主主義を否定する独裁政権が維持さ

サルバドールの朝

203.131.194.841970年代のスペイン。死刑宣告を受けた青年の壮絶な闘い。25歳の若者に下された不当な死の判決!_愛する者たちに見守られながら、その瞬間は近づいていく。ラスト30分、感動の涙が止まらない”真実”の物語。主人公サルバドール・プッチ・アンティック(ブリュー...

サルバドールの朝

203.80.26.39脚本ゼミの友人と、映画を見る会を作って観に行ってます。本当は月1回開催したいところですがなかなか都合が合わず、3ヶ月ぶりの開催です。秋場所というところだね。数作品候補をあげて、その中から選んでます。今回はメンバーの一人が推したこの作品に決まりました。

感想/サルバドールの朝(試写)

210.128.67.56個人、団体、国家、それぞれの義。『サルバドールの朝』9月22日公開。1970年初頭スペイン。青年サルバドールは時のフランコ独裁政権への反対運動組織MILに参加。労働階級の救済と活動維持のために銀行強盗などをくり返すが、ついに警察に囚われる。その際サルバドールの放った銃弾により警察官が死亡。彼は死刑を求刑される。サルバドールの朝重苦しいのだけれど目を逸らせないんだよなぁ。活動家としてのサルバドールを回想する前半、彼は軽率さのある若き活動家。現代から見るとちょっと考えられない行動を傍

サルバドールの朝

210.165.9.64salvador(2007/スペイン)監督:マヌエル・ウエルガ出演:ダニエル・ブリュール/トリスタン・ウヨア/レオナルド・スバラグリア/ホエル・ホアン/セルソ・ブガーリョもっと、生きたい!実話とは知らなかった。スペイン内戦が舞台というと、最近では映画「パンズラビリンス」の題材とかぶります。今から30年前のスペインであった事件を題材にした人間ドラマ。storyフランコによる軍事政権下にあるスペイン。1974年の3月2日、若きアナーキスト、サルバドール・プイグ・アンティック(ダニエル・

サルバドールの朝

203.80.26.39満 足 度:★★★★★★       (★×10=満点) 監  督:マヌエル・ウエルガ      キャスト:ダニエル・ブリュール トリスタン・ウヨア レオナルド・スバラグリア ホエル・ホアン セルソ・ブガーリョ メルセデス・サンピエトロ、他
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

フリーエリア