「薬指の標本」(フランス 2004年)

この靴が私を捉えて離さない。
・・・捉えられていたい。
薬指の標本 SPECIAL EDITION薬指の標本 SPECIAL EDITION
ディアーヌ・ベルトラン オルガ・キュリレンコ マルク・バルベ
ハピネット・ピクチャーズ 2007-03-23
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小川洋子作品は未読。
ファンの方にとっては見当違いな感想なのでしょうけれど。

21歳のイリスは炭酸飲料工場での事故で
薬指の先端を失ってしまう。
事故をきっかけに仕事を辞め知人のいない港町に引っ越した彼女は
森の中の古びた3階建ての建物の標本室で
標本製作士の助手の仕事を得る。


大人の女性の象徴のひとつがハイヒール。
履き続けるうちにイリスは標本製作士への恋に堕ちていく。
・・・のだけれどこの男は私のタイプではないので(苦笑)、
私はかなりクールに見てしまいました。
アンデルセンの童話の「赤い靴」では
少女は靴を脱ぐことが出来なくなり、足は勝手に踊り続ける。
死ぬまで踊り続ける呪いをかけられた少女は
両足首を切断してもらう。
そしてイリスは蜘蛛の糸に絡められるように
標本製作士に惹かれていく。

顔も知らない水夫とのルームシェア。
文鳥の骨を託した靴磨きの老人。
頬の火傷を治療ではなく標本にしたいと依頼する少女。
イリスの前の日常と非日常。
そして嫉妬。

麻雀をしない私は麻雀牌を見たことすらないので
順番どおりには絶対に並べられないのだけれど(確信)。
標本製作士のあの物言いと冷淡な態度は怖ささえ感じました。

トンネルの中を歩くイリスがいる。
今まで来た助手はみんな行方不明になっていると聞いても。
火傷を標本にしたいと言った少女の姿が消えてしまっていても。
そして薬指を標本にしてもらうためにあの靴を脱ぎ、
イリスが向かった先は・・・。

静かでアンニュイで官能的で・・・でも最後に私に残ったのは怖さ。
ラボの中の冷たく湿っぽい空気が肌にまとわり付くような・・・。
映像も音楽も嫌いでは・・・むしろ好きなくらいなのですが、
でもこの世界観は私には難しい。

「何を標本にしたい?」
L'Annulaire (Original French Version with English Subtitles)L'Annulaire (Original French Version with English Subtitles)

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