「明日への遺言」(日本 2007年)

第二次世界大戦後。
東海軍司令官・岡田資中将は
アメリカ軍搭乗員処刑の罪でB級戦犯として法廷に立つ。
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 不勉強で存じ上げなかったのですが、
 主人公の岡田資は実在の人物なのだそうです。
 大岡昇平の原作は未読。
 12月29日TVHで放映されました。

元東海軍司令官・岡田資(たすく)中将は、
名古屋空襲時の無差別爆撃を実行し、
爆撃機からパラシュートで降下した連合軍(米軍)搭乗員を
処刑した罪でB級戦犯に問われた。
弁護人であるフェザーストーンと相対するバーネット検察官、
裁判長のラップ大佐をはじめ、裁判を行うのは戦勝国アメリカ。
そんな中で岡田は信念を曲げることなく、
すべての責任は指示を下した自分にあると主張する。


グアンタナモ基地への収監者に対しての事件に似たようなことが
この時全然無かったとは言い切れないとは思いますが、
勝者が敗者を裁く裁判が一方的な糾弾でなかったことが意外でした。
これは何と言っても岡田資の人となりに依るところが大でしょう。
アメリカ人であるフェザーストーンの真摯なまでの弁護はもちろん、
(一部かもしれませんが)若い看守のアメリカ兵が
岡田を"閣下"と呼ぶことからも伺えました。
ロンドンに赴任した経歴を持つ岡田ですから、
多少なりとも欧米の事情や国際法にも通じてたのでしょう。
だからこそ"報復か処刑か"を争うこの裁判を
自ら"法戦"と呼び戦い抜いたのかも知れません。

・・・ただ、映画としては私にはピンと来ないままでした。
(多分)カットされていたシーンもあったでしょうが、
法廷内のシーンが大半なためか間延び感が否めません。
そのせいかむしろ検察側の陳述の方に興味が湧きました。
バーネット検察官が無差別攻撃の正当化を陳述すればするほど、
9.11以降のアメリカのイラク、
そしてイスラエルのパレスチナに対する空爆に重なって
仕方がありませんでした。
この裁判の大元となった名古屋や日本各地への空襲、
そして広島と長崎への原子爆弾。
"命令に従って空爆しただけ"の結果は・・・。

ところでナレーションの竹野内豊は出演してはいないんですよね?
彼が岡田の部下の一人として部下たちの気持ちを代弁する、
または息子という形で家族の心情や様子を語る・・・ならともかく、
この物語なら奥様役の富司純子の語りだけにした方が
映画の雰囲気に合ったのではないかと思います。
・・・竹野内豊は嫌いじゃないんですが。

「私は久遠の命を確信しています。」
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