『姫の竹、月の草』

時は天保、
浪人・吉井数馬を巻き込む幕府天文方と朝廷の思惑。
そして数馬の妹・奈緒は・・・。
浮穴 みみ著『姫の竹、月の草 吉井堂謎解き暦』
姫の竹、月の草―吉井堂謎解き暦姫の竹、月の草―吉井堂謎解き暦
浮穴 みみ
双葉社 2009-10
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また北海道出身の作家の作品です。
収録作『寿限無』は第30回小説推理新人賞受賞作。

天保の江戸、神田の幼童手跡指南(手習い所)・吉井堂では
指南の吉井数馬と妹・奈緒が慎しく暮らしている。
同じ神田の柳原土手の武家屋敷のあたりに
女の幽霊が出るという噂が人々に広まっていた。
(第一話『寿限無』)


『寿限無』『紅葉立つ』『臘月』『ペルレンス・ブラアウの佐保姫』
『耿(きら)と交わる』表題作『姫の竹、月の草』と
六編からなる連作集です。
小説推理新人賞受賞作収録・・・ではあるけれど、
一風変わった江戸市井物という趣きの短編集です。

大体手習い師範の数馬は子どもそっちのけ、
本業は妹任せで幻灯機や算額、天体観察に夢中。
からくり人形に仏蘭西語・エッチングまで登場。
そして蛮社の獄と天誅。

ところで奈緒の出生の秘密。
養女であることは奈緒自身も知っていること。
数馬と奈緒の間にあるのは兄妹の情愛ではなく、
恋人・・・夫婦のそれ。
"あの設定"は必要ないように思うのですが。

『ペルレンス・ブラアウの佐保姫』のおはるおくら
『耿(きら)と交わる』のお砂
いつの時代も止むに止まれぬ女たちの想い。

「ほんとに奈緒さんは
あたしたち普通の者とはどこか違う、
あたしたちと同じ国にいる人ではないような、
あたしにはそんなふうに見えるんでございます。」
レンブラントと和紙レンブラントと和紙
貴田 庄
八坂書房 2005-02
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