「ラッシュライフ」(日本 2009年)

孤高を貫く泥棒。
神に憧れて宗教団体に身を置く青年。
不倫相手との再婚を目論むカウンセラー。
町を彷徨うリストラされたサラリーマン。
4人の人生のその一日。
ラッシュライフ [DVD]ラッシュライフ [DVD]
堺 雅人 寺島 しのぶ 柄本 佑 板尾 創路
アミューズソフトエンタテインメント
by G-Tools



 「ゴールデン・スランバー」を観る前にDVDで観ました。
 東京学芸大学映像研究科の学生たちの手に依る作品は
 札幌では昨年12月にシアター・キノで上映されました。
 相変わらず伊坂作品は未読です。

己の美学を貫く、孤高の泥棒・黒澤はある部屋の中を物色中、
突然戻ってきた家の住人と思しき男と鉢合わせしてしまう。
神に救いを求める青年・河原崎が
いつものように教団が経営する施設で動物の世話をしていると、
突然教団の幹部から車の運転を依頼される。
不倫相手の妻を殺そうと企むカウンセラーの京子は
不倫相手の運転で妻の待つ別荘に向かう途中でアクシデントに襲われる。
リストラされ、アテも無く駅前をふらつく豊田の前に
コインロッカーの鍵を咥えるが現れる。


・・・それにしても長く感じる映画でした。
何せ原作の予備知識が全くなかったもので
河原崎パートのグロなシーンに引いてしまったこともありますし、
(シーンがシーンだけに)画面が暗いし。
黒澤パートでホッとした有様。

我が家のDVDプレーヤーのせいか、
冒頭の画廊の戸田と話すソナの声がほとんど聞き取れなくて。
(でも彼女のモノローグは問題なかった)。
びっくり箱状態の車のトランクも謎なら、
豊田がどうしてあの心境に至ったのかもさっぱりわからない。
例に依って原作どころか私は伊坂作品自体未読なのですが、
原作の肝心な何かを削って脚色したとしか思えないのです。
もしかすると公式サイト・相関図の感じでは
・・・直接顔を合わせるかどうかはともかくとして、
もっとお互いに絡んでいくのはないでしょうか。
冒頭でソナに"私の一日が誰かの一日に繋がっていく"と
言わせているくらいですし。

一応リレー形式にはなっていますが、
4人の監督のただの短編の寄せ集めになってしまい、
一貫性や統一性があまり感じられませんでした。
メインのキャストは豪華なのにこれを生かしきれない未熟さと稚拙さが
思い切り形になってしまったという作品ですね。

堺雅人と寺島しのぶ、
あと喫茶店の奥さん役の筒井真理子が良かったかな。

コメント

東京芸大の学生たちの卒業制作作品ということで、
この映画化に向かない作品を、どのように作るだろうかと、かなりの期待を持って待っていたんだけれど…
技術や費用の不足はこの際、目を瞑るとしても、
内容の読み込み不足と、この作品に相応しい表現方法の間違いで、
主題と意味のわからない作品になってしまったことが残念でした。
>原作の肝心な何かを削って脚色した
流石、鋭いです。
わたしは、最も肝心な「作品の主題」の見落としだと感じました。
大事なのは、各エピソードに描かれる内容そのものじゃなく、
密接ではないけど、知らず知らず繋がっているから作られるぼんやりとした全体像…ということが面白いので…
いずれにせよ、とても難しい作品を選んで映像化を試みて玉砕したという感じがしました。

>冒頭の画廊の戸田と話すソナの声がほとんど聞き取れなくて。
あ〜それ私もっ!
すっごく音量上げたんですが、それでも聞き取れなくて
あきらめました^^;
私も長く感じましたわ。
あの人たちの「その後」はどうなったのか、とか
全く興味湧かないし。
黒澤だけが唯一面白かったパート。
(しかし、私はサカイスキーですから、役者贔屓なのかも^^;)
学生さんたちの研究に付き合わされたんだと思ってあきらめました。
どうせDVDだし。
わざわざ遠出して映画館に見に行っていたら、ちょっと腹が立ったかも^^;

悠雅さん、
原作に忠実なら良いというものではありませんが、
でも脚色の方向を見誤ったのではないかと感じてしまいました。
原作を知らない私でさえそうですから、
悠雅さんの違和感は大きいのかもしれませんね。
>内容の読み込み不足と、この作品に相応しい表現方法の間違いで、
主題と意味のわからない作品になってしまったことが残念でした。
>とても難しい作品を選んで映像化を試みて玉砕したという感じがしました。
はい、何だかわからないまま観終えて、
・・・妙に疲れる映画でした。
これ、中村義洋監督が撮ったらどうなるんでしょうねぇ。

くうさん、
>>冒頭の画廊の戸田と話すソナの声がほとんど聞き取れなくて。
>あ〜それ私もっ!
あっ、良かった〜!
私だけじゃないのね(^-^)
>黒澤だけが唯一面白かったパート。
>(しかし、私はサカイスキーですから、役者贔屓なのかも^^;)
私も黒澤パートが一番好きですね。
ここだけトーンが違いましたし。
>わざわざ遠出して映画館に見に行っていたら、ちょっと腹が立ったかも^^;
それでも380円は高かったです。
・・・100円でもちょっと(-"-;)

新宿までの往復交通費、そしてシネマチネ代金を出して、わざわざこれを観賞してしまった身としては、あきらめるしかないですね(苦笑
おっしゃる通り100円でもちょっと、でしたから。
これを正規観賞料金で見せるかなあ・・・ って言うのがまず言いたいことで、そしてこのブツ切れをDVD出すかというのがオドロキです。
有名どころに出ていただいたから、DVD出すっていうのが条件だったんでしょうね。 映画界の裏側を見せつけられる作品となってしまいました。

rose_chocolatさん、
スクリーンでご覧になったのですね。
何せこの出来ですからねぇ・・・お慰めの言葉もありません。
>これを正規観賞料金で見せるかなあ・・・ って言うのがまず言いたいことで、
>そしてこのブツ切れをDVD出すかというのがオドロキです。
裏か表かはともかくとして、
地方に住む者としてはDVDでも何でも
その映画に出会えることは嬉しいというのが正直なところです。
ただ、残念ながら原作未読の私でさえ、
主題を見誤ったのか理解していなかったのかと感じるほど、
内容が伴っていなかったように思います。
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