『崇徳伝説殺人事件』

皇統をめぐる争いに敗れ流刑の地で没した崇徳上皇と
ある殺人事件の内部告発の行方。
内田康夫著 『崇徳伝説殺人事件』
崇徳伝説殺人事件 (中公文庫)崇徳伝説殺人事件 (中公文庫)
内田 康夫
中央公論新社 2008-08
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2時間ドラマお馴染みの浅見光彦シリーズ。
原作はどんなでしょう?と読んでみました。

平安時代の末に天皇の位をめぐる争いに敗れ、
流刑の地・讃岐で没した崇徳上皇。
崇徳上皇を信仰する栗石が経営する特別養護老人ホームで、
入所者の老人の不可解な死が相次いだ。
その施設内で働く看護師の小沢滋美は内部告発を決意し、
フリージャーナリストの新坂に接触を図るが、
新坂の顔を知らない滋美は
取材で崇徳天皇縁の神社を訪ねる浅見光彦に
証拠のフィルムを託してしまい・・・。


・・・ドラマはかなりコミカルに脚色されているのねぇ。
浅見は名探偵であると同時にとても繊細な人に思えました。
もっともこの小説では浅見が関わったことから、
結果的にふたりの人間が亡くなってしまったのですから、
そう感じてしまうのかもしれません。

舞台は京都と香川県坂出市。
特別養護老人ホームと高齢者福祉が抱える問題点。
そして崇徳上皇の伝説。
この崇徳上皇のエピソードは全く知らなかったので
ただただ驚いてしまったのですが、
本筋に直接は関係ない歴史的な話は
"ややこしいので省略"されているのが、
何とも読みやすくありがたかったです(^_^;

今ならフィルムじゃなくSDカードかUSBメモリーか。
それとも写メールになってしまうのかしら。

結局村上さんは誰の指示で雲隠れしたのかとか
例のシャープペンシルを○○はいつ手に入れたのかとか、
何故か記載がないのですが、
で一番腑に落ちなかったのが妙子の結婚。
まあ、彼女自身は力尽くで、
そして実家はお金で身動き出来なくなったのでしょうけれど、
結婚前に恋人に会って事情を打ち明けていれば、
彼女と諏訪部兄弟の運命は変わっていたはず。
・・・こういう描写はドラマの方が親切かも。

「それに、率直に言って、今度の事件は、だれが犯人であるにせよ、
おそらく犯人側にも同情すべき点があるような気がします。」
「犯人は真相を知っている人間が、
少なくとも一人はこの世に存在することを、
一生、気にしながら生きていかなければなりません。」

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