「沈まぬ太陽」(日本 2009年)

正義と信念。
巨大企業の一員としての生き様。
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渡辺謙 三浦友和
東宝 2010-05-28
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 第33回日本アカデミー賞で最優秀作品賞など12部門を受賞した作品。
 例の如く原作は未読です。
 2011年2月11日日本テレビ系「金曜特別ロードショー」にて。

昭和40年代。半官半民の巨大企業・国民航空社員の恩地は、
労働組合委員長として職場環境の改善に取り組んでいた。
だがその結果、恩地は会社から、
懲罰人事ともいえる海外赴任命令を言い渡される。
10年もの僻地への辞令が続く間、
会社は帰国をちらつかせ組合からの脱退を促すのだった。
一方、恩地と共に闘った同期の行天は、
早々に組合を抜けエリートコースを歩み始めていた。
同僚であり行天の愛人の国際線客室乗務員・三井は、
対照的な人生を歩む二人を冷静に見続ける。


3時間22分の長尺をノーカット放映ということでの
金曜特別ロードショー。
7時からの4時間という異例の放送でした。
ただ民放地上波だからしてCMも入り、
またテレビだからこそながらになるわけでして(-。-;

最初に墜落事故。
リアルタイムで観たニュースや、
映画・ドラマの「クライマーズ・ハイ」が思い出されたところで
恩地が若かりし頃の労使交渉。
・・・あくまでフィクションなのですが、
話を切り替えることで事故に遭われた方々やご遺族へ
見る側が思いを巡らせることもまた断ち切られてしまいました。
当然ながらモデルとなった航空会社の協力は得られなかったようで
CGが多用されリアル感が薄くなりました。

会社側であれ組合側であれ、
どちらの立ち位置にも正義も利己的な面があります。
これを強調するためでしょうが、
御巣鷹の遺族への対応ひとつにも
かなりデフォルメされているように感じました。
大長編を映像化したことに敬意を表しますが、
恩地を中心に描いたことで
かえって恩地ひとりが浮き上がってしまったように思います。
周囲の人々、行天や恩地の一家の心情を見せていれば
"私も最後にやっと世の中の役に立った"という八木の姿が
唐突に見えることはなかったのではないでしょうか。

恩地も行天もこの作品ではすっかり悪役扱いの八馬でさえ、
会社のためにしか生きられない『会社人間』。
だからこそのラストの恩地の姿なのですが、
むしろ行天役の三浦友和の方が印象に残りました。

「お前、寂しい男になったなぁ。」
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「沈まぬ太陽」よくぞ映画化したな・・・と拍手

208.71.105.137フィクションと言ってはいるものの、ついJALと重ねて見てしまうのもやむを得ないお話です。

沈まぬ太陽

210.165.9.64山崎豊子の同名作品を映画化した社会派ドラマ。監督は若松節朗、キャストは渡辺謙、三浦友和、松雪泰子、鈴木京香、石坂浩二、香川照之、西村雅彦、柴俊夫他。<あらすじ>国民航空の労働組合委員長・恩地(渡辺謙)は職場環境の改善に奔走した結果、海外勤務を命じられてしまう。10年におよぶ孤独な生活に耐え、本社復帰を果たすもジャンボ機墜落事故が起き、救援隊として現地に行った彼はさまざまな悲劇を目の当たりにする。そして、組織の建て直しを図るべく就任した国見新会長(石坂浩二)のもとで、恩地は会社の腐敗

09-319「沈まぬ太陽」(日本)

133.205.94.7会社って、一体何だろう? 国民航空の労働組合委員長を務める恩地元。職場環境の改善を会社側へ訴えていた彼はやがて、海外赴任を命じられる。それはパキスタンやイラン、ケニアなど、まともな路線就航もない任地を転々とさせられるという、あからさまな懲罰的人事だった。だが、恩地は自らの信念を曲げることなく、長きに渡る海外勤務を全うしていく。 一方、同じく組合員として共に闘った恩地の同期、行天四郎。彼はその後、本社での重要なポストと引き換えに会社側へ寝返り、エリートコースを歩みながら恩地と対立して

『沈まぬ太陽』/TV地上波

210.165.9.64   □作品オフィシャルサイト 「沈まぬ太陽」□監督 若松節朗 □原作 山崎豊子 □脚本 西岡琢也 □キャスト 渡辺 謙、三浦友和、松雪泰子、鈴木京香、石坂浩二、香川照之、木村多江、柏原 崇、戸田恵梨香、大杉 漣、       西村雅...
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