『焦茶色のパステル』

牧場での銃撃事件。
サラブレッドの血統。
岡嶋二人著 『焦茶色のパステル』
焦茶色のパステル (講談社文庫)焦茶色のパステル (講談社文庫)
岡嶋 二人
講談社 1984-08-08
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本作は江戸川乱歩賞受賞作。
岡嶋二人は井上泉(井上夢人)と徳山諄一の共同筆名ですが、
コンビは1989年に解消されています。

東北にある幕良牧場で、
牧場長・深町と競馬評論家・大友隆一が銃弾を受け死亡、
ふたりが見ていたサラブレッドの母子も流れ弾で死んだ。
隆一の妻で競馬の知識が全くない宝飾デザイナーの香苗は
隆一が持ち歩いていた黒い鞄が見当たらないこと、
また、事件の前日に東陵農業大学の講師・柿沼が殺害された件で
警察が隆一を訪ねて来たことを不審に思う。


昭和50年代に書かれたているので、
写真を現像に出したりレコードがかかったりしますが、
香苗ばりに競馬にド素人の私でもすらすら読める一冊。
香苗の友人で競馬雑誌の記者・綾部芙美子、
競馬好きが集まる喫茶店「ラップタイム」のマスター・真岡が、
焦茶色の馬は黒鹿毛、淡い茶色が栗毛
黒が青毛、白が芦毛・・・というところからレクチャーしてくれます。
この芙美子と彼女に好意を寄せる真岡のやり取りが
何故か微笑ましい(苦笑)。

パステルとその母馬・モンパレット、
モンパレットのお腹の仔、
ダイニリュウホウ、巻き添えになったフィールドラップ。
競馬の世界で輝かしい業績を残した馬がいる。
その実績に種付けを申し込んだ牧場主。
その仔馬を買った馬主、預かった調教師。
そして馬券を買った多くのファン。
一方でその馬を汚職のツールとしか見ない馬主たち。

パステルとモンパレットのお墓を作ったコウちゃんと
深町の甥の勇次郎の存在がせめてもの救い。
サラブレッドとは?・・・馬には何の罪もないのにねぇ。

「これ、本当にパステルか?」

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