『猫はクロゼットに隠れる』

引退した老婦人の死。
農夫の失踪。
リリアン・J・ブラウン著『猫はクロゼットに隠れる』
猫はクロゼットに隠れる (ハヤカワ・ミステリ文庫)猫はクロゼットに隠れる (ハヤカワ・ミステリ文庫)
リリアン・J. ブラウン Lilian Jackson Braun
早川書房
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 "シャム猫ココ"シリーズ第15作。
 ところで"孫息子"という言い方があるんですね。
 本書で初めて知りました。

改造したりんご貯蔵用納屋に暮らすクィラランと二匹の猫。
冬の光熱費と除雪費を惜しんだクィラランは
ジュニア・グッドウィンターが祖母から引き継いだゲージ屋敷を
借りて引っ越すことに。
また屋敷の裏にはポリーの住むキャリッジ・ハウスもあった。
百年前に立てられた広大なゲージ屋敷には
家具らしい家具はない代わりに作り付けのクローゼットが50もある。
ココがクローゼットから探し出してきたものの中に
1869年にムース郡で起きた大火事の資料があった。
人々に忘れ去られた壮絶な火事の記録を伝えるために、
クィラランはひとり芝居の脚本を書き、自ら出張公演をすることになる。
ゲージ屋敷でのお披露目を兼ねた試演が大成功を収めた夜、
フロリダの引退者用施設に住むジュニアの祖母、
ゲージ屋敷の元の持ち主・ユーフォア・ゲージが、
自ら命を断ったという知らせが飛び込んでくる。


猫は"クローゼット(クロゼット)に隠れる"と言うよりは
"探検する"とか"発掘する"とかの方が
内容的には合っている気がしないでもないですが。

ユーフォア・ゲージは一度登場しているキャラクター。
シリーズものを読み飛ばしているもので、
私は"初めまして"なのですが・・・まあ、支障はございません(苦笑)。
彼女の訃報とひとりの農夫の失踪。

農夫の亡き妻がゲージ家の家政婦だったことから、
ユーフォア・ゲージの人生が浮かび上がってくる。
このゲージ家の女主人の人生とムース郡を襲った大火。
ふたつの歴史。
そして新しい歴史になるのが
クィラランの親友であるアーチとミルドレッドの結婚。
・・・出席者の話題は見事に猫ばかり(=^..^=)

鍵はユーフォア・ゲージが暮らし、
そして亡くなったフロリダの引退者用施設。
ユーフォアの隣人シーリア・ロビンソンから、
取材と称してユーフォアの暮らしぶりなどを聞いていく。
底抜けに明るいシーリアと彼女の"孫息子"を通して
"どこからも400マイル北"にあるムース郡から、
事件の謎を探っていく。

クィラランが子どもが嫌いなのは薄々感じてはいましたが、
隣の弁護士宅のティミーへの態度に、
ハロウィンでの振舞い・・・まあ、大人気ない(呆)。
でも有能な新聞記者であり、K基金の設立者であり
「ムース郡なんとか」に写真署名入りコラムを執筆しているクィラランに
偏屈で気難しくまた横柄な面があるように、
ユーフォア・ゲージにも周囲に・・・孫さえ知らない顔があった。

正に目的のためには手段を選ばない犯人たち。
下手するとココやヤムヤムも連れて行かれたんじゃ・・・、
あのふたり二匹なら大丈夫か(=^..^=)

例に依ってエピソードが詰め込み過ぎの感はありますが、
このシリーズでは一番好きかも。

tag : 猫はクロゼットに隠れる リリアン・J. ブラウン シャム猫ココシリーズ

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