「アーティスト」

口元の付けほくろ。
サイレントからトーキーへ。
アーティスト。
アーティスト オリジナル・サウンドトラックアーティスト オリジナル・サウンドトラック
ルドヴィック・ブールス
SMJ
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公開されてからひと月以上になりますがようやく観て来ました。
ディノスシネマズ札幌劇場2番スクリーンにて。

1927年、サイレント映画全盛のハリウッド。
大スターのジョージ・ヴァレンティンは、
自身の愛犬・アギーも出演した新作の舞台挨拶で
観衆からの喝采を浴びていた。
劇場の外で熱狂するファンたちに囲まれる中、
一人の女性とぶつかってしまうがジョージは彼女に優しく応じ、
翌日の新聞の一面には女性がジョージの頬にキスした写真が飾る。
彼女、ペピー・ミラーはキノグラフ社のオーディションを受け、
ジョージの映画で端役を得た後、
彼のアドバイスをきっかけに女優としてのキャリアを重ねていく。
やがて映画産業はサイレントからトーキーへの移行期となるが、
"サイレント映画こそ芸術"と主張するジョージは、
所属映画会社・キノグラフ社の社長と決別、
私財を注ぎ込み自らの監督と主演でサイレント映画を製作するが、
奇しくも公開日はベビーの新作映画と同じ。
ベビーの映画は大ヒットするが・・・。


昔の映画って(と言う程観ていませんが^^;)オープニングに
俳優やスタッフの名前が出ていましたねぇ。
サイレント映画での俳優の演技はかなりオーバー、
歩き方や表情、仕草で感情を表現していく。
字幕が出ないシーンではつい俳優の口元を見入ってしまう。

観終えてから壁のパネル(?ポスター?)を読んで知ったのですが、
いくつものサイレント映画のオマージュが散りばめられているそうで、
元となった映画を知っている人はそのあたりも楽しめるのでしょう。
ペピーがジョージの上着の袖に腕を通して自分の身体を抱き締める。
ドキッとするほどセクシーなこのシーンもモチーフがあるそうです。

新作のカーテンコールに女優ではなくアギーを呼ぶジョージ。
あれでは女優が怒って当然。
でもジョージは大スター、咎める者はいない。
そんな中で突如、楽屋でジョージがグラスを置く音が突然響きます。
これをきっかけに様々な音がする、電話が鳴る、
でもジョージの声は聞こえない。
外で若い女優たちが笑って通り過ぎていく。
ジョージのこの夢は笑い飛ばしたトーキーへの怖れの裏返し。
部屋を出たジョージが階段を降りて行き、
上ってきたペピーが踊り場のフロアで遭遇する。
その後、階段を降りるジョージと昇って行くペピー。
背中合わせになったレストラン。
新作のエンディング。
サイレントとトーキーを、そしてふたりの人生を対比させていく。

勇気を奮ってベビーの新作を観に行ったジョージが
ロビーで女性から呼び止められた時、
彼女の視線はもっぱらアギーで、
かつてのサイレントのスターには全く気付かなかった。
妻に追い出され、タキシードまで質屋に持ち込み、
オークションで想い出の品々を売り払うジョージ。
心を閉ざし落ちぶれてしまったジョージを
それでも秘かに慕い続けるペピーと
彼女の運転手として共に見守るクリフトン。
そしてジョージに何処までも寄り添うアギー。
私は猫派ですがこのアギーは本当に可愛くてお利口で、
助演男優賞ものの演技でした。
まあ、この子は第1回ゴールデン・カラー賞(金の首輪賞)
("犬"版アカデミー賞に当たるらしいです)で
"最優秀俳優犬賞"を受賞したそうですが。

ストーリーは至ってシンプル。
ただ隠されていた品々を見てしまったジョージの衝撃、
その後の行動にハラハラした分、
エンディングがあまりにも急転直下で正直呆気に取られました。
トーキーならではのエンディングだったけれど。

「またご一緒できますね。」
「With Pleasure.(慶んで。)」

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