『黄金を抱いて翔べ』

12月16日土曜日。
大阪。
金塊強奪。
高村薫著『黄金を抱いて翔べ』
黄金を抱いて翔べ (新潮文庫)黄金を抱いて翔べ (新潮文庫)
高村 薫
新潮社
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意外に感じた映画化のニュースでしたが、
もうすぐ公開なんですね。
新潮文庫は手元にあれど読むのは十何年ぶり。
当然というかほとんど忘れていまして(-。-;

大阪のビジネスホテルの窓から外を観察している幸田の視線は
何故か明るいグレーの制服姿の道路清掃の老人に向けられる。
北川に住田銀行の地下金庫の金塊を強奪する計画を聞かされ、
"計画次第"だとだけ答える幸田。
その夜呼び出されて北川のマンションを訪ねた幸田は、
コンピュータ会社に勤める野田と引き合わされる。


そうそう、冒頭の道路清掃の老人が後々絡んでくるのよね・・・と
思い出しつつ懐かしいやら新鮮やら。
"北川の背丈は185〜186。
幸田より10センチ以上高く、目方は20キロ以上重い80キロ。"
このふたりの体型を初めて知りました(=_=;

8月から始まった金塊強奪計画の準備と同時進行で、
幸田が大阪に住んでいた幼い頃の事件の記憶、
北川の弟・春樹と暴走族の抗争、
モモと呼ばれる正体不明の男、
韓国の偽造パスポートを持った男の射殺事件の目撃者etc.・・・。
じっくりじっくり描かれ絡み合ったエピソードは
多くの血を流して11月に爆発する。
そして12月16日土曜日決行の朝もまた・・・。

「リヴィエラを撃て」や「李歐」、「レディ・ジョカー」に繋がる、
色々な意味で高村作品の原点のような作品。

"初めに金塊ありき。
金塊は我々と共にありき。
我々の結果は肉の欲によらず、
人の欲によらず、ただ金塊によって生まれしものなり。"
"あんたのことは、ほとんど何も知らない。
でも、いつか、あんたとは神の話をしたいと思う。
あんたとは、心の話をしたいと思う。"

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