『本所深川ふしぎ草紙』

近江屋藤兵衛が殺された。
下手人は藤兵衛のひとり娘のお美津だという噂が・・・。
宮部みゆき著『本所深川ふしぎ草紙』
本所深川ふしぎ草紙 (新潮文庫)本所深川ふしぎ草紙 (新潮文庫)
宮部 みゆき
新潮社
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宮部みゆきに限らず時代物を読み始めてから日が浅いもので、
『ばんば憑き』で茂七親分を知りまして^^;、
宮部みゆき時代物作品として最初に刊行された本作をば。
ちなみに私が購入した新潮文庫は五十四版改版・・・凄いの一言。

本所駒止橋の上で近江屋藤兵衛が殺された。
本所一帯を仕切っている回向院(えこういん)の茂七は
藤兵衛と折り合いの悪かったひとり娘のお美津が下手人だと
にらんでいるという。
五六八蕎麦の職人・彦次は忙しい商いの合間に店を抜け出し、
藤兵衛の葬儀に近江屋に出向いた。
遠くからお美津を見つめ、頭を低く下げ戻ろうとした彦次は、
やはり離れたところに立つ十七、八の娘を見止めた。
安物の数珠を手に合掌しながらぽろぽろと涙を流す娘の姿を。

(『片葉の芦』)

『片葉の芦』『送り提灯』『置いてけ堀』『落葉なしの椎』
『馬鹿囃子』『足洗い屋敷』『消えずの行灯』の七編。
全編に登場する岡っ引きの回向院の茂七が事件の謎を解いていく。
そう言えば高橋英樹でドラマがあったんじゃなかったかしら?とググると、
NHKで「茂七の事件簿ふしぎ草紙」・・・やはりありました。
DVDなど販売されてはいないようですが。

本所七不思議は現代で言えば都市伝説のようなもの。
憎しみや嫉妬、哀しさ、痛々しさや思い込みなど、
平成の世にも相通じることが多く考えさせられる話ばかり。
初期の作品ですから物足りなさもありますが、
でも現在の宮部みゆきの片鱗が見える一冊。

次回は『初ものがたり』をば。

"子供の約束だ・・・彦次は思った。もう忘れても、無理はない。
大切なのは、それが俺を支えてくれたということのほうだ。"
"あなたはあなたの汚い足で、おとっつあんとあたしの心を踏んでいった。
そのあなたの汚い足は、誰が洗ってくれるんだろう。"
ばんば憑き (新人物ノベルス)ばんば憑き (新人物ノベルス)
宮部 みゆき
新人物往来社
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