「ベタル ダンス」

彼女たちは北に向かって車を走らせる。
6年ぶりに大学時代の友人と会うために。
ペタルダンス (リンダブックス)ペタルダンス (リンダブックス)
石川寛 梅原満知子
泰文堂
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「好きだ、」からもう7年なんですね。
札幌ではシネフロのみの上映ですし、上映期間も短そうなので、
早々に見てきました。
札幌シネマフロンティア、4番スクリーンにて。

大学からの友人のジンコと素子はやはり大学の友人のミキが、
自ら海に飛び込み助けられたという噂を聞く。
心配したふたりはミキのの気持ちを確かめようと休みを合わせ、
素子の元夫の車を借りて会いに行くことにする。
ところがその直前にジンコが左手を怪我したため、
ジンコが勤め先の図書館で出会った原木が運転手として加わり、
三人は一泊二日の予定でミキが住む北の町を目指す。


今年はあと何本映画を観るのか判りませんが、
この世界観、この繊細さ。
個人的には2013年のベストの何本かに入るのは確実です。

冒頭、ジンコが手を繋いだまま川田をじっと見つめる中、
川田は俯いたまま。
元夫の車に乗った素子が運転席の彼を見る表情。
出かける日に彼は素子を見つめ、
素子はそれを避けるように前を向いている。
淡々と、本当に淡々と進んでいきます。

どうする?
何が出来る?
知りたい。
解りたい。

もし、自分から死のうとしていた人に会いに行くとしたら、
何を話して良いのか。
逆の立場ならばどういう顔をして友人たちに会えば良いのか。
ジンコ、素子、ミキ、それぞれの反応。
帰りの車中でホッとしたような腑に落ちているジンコと
ミキの言葉に苦しそうな、ジンコに対して嫌悪感さえ見せる素子。

そして部外者の原木の存在。

ジンコと川田の関係。
素子と元夫の過去。
ミキが何故海に入ったのかも、
原木の友人に何があったのかも彼女の生死も明かされない。
・・・本当に幅跳びだったのかも。
全ては観る側に委ねられる。
想像力を働かせ・・・ではなくただ察して下さいという様に。

100の名詞を書くこと。
最後の3つの言葉を使っての絵。

で?
終わり?
終わり。

ミキに会うこと自体が苦しそうだった素子が、
三人の登場に戸惑っていたミキに笑顔が戻ってくる。

そして原木も。

彼女の願いが叶いますように。
祈りが届きますように。

「笑って。
そして生きていて。」
好きだ、 [DVD]好きだ、 [DVD]
宮崎あおい 瑛太 西島秀俊 永作博美
TCエンタテインメント
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コメント

こんにちは。
男性、とくに評論家諸氏には
評判のよくない映画ですが、
こうやって
女性の方の好意的なレビューを読むと、
この映画は
やはり生まれてよかったな…
そう思います。
ぼくも出会えてよかったです。

えいさんへ、
地味な内容ですし、原木以外の三人の背景は結構ザクッと省略しているんですよね。
そのあたりに物足りなさを感じる方も多いのかもしれません。
実は「好きだ、」は私のベストムービーのひとつなんです。
残念ながら、私が観に行った回は観客が少なかったですが、
私はこの世界観や空気観に浸ってしまいました。
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