『あかんべえ』

深川の料理屋の娘・十二歳のおりんと
五人の亡者たち。
宮部みゆき著『あかんべえ』
あかんべえ〈上〉 (新潮文庫)あかんべえ〈上〉 (新潮文庫)
宮部 みゆき
新潮社
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・・・お盆なので〜(m~-~)m

七兵衛が一代で築いた賄い屋の高田屋。
おさきとの間に子はなく、夫婦は身寄りのない子たちを引き取り、
若い包丁人を育て店を繁盛させることに熱意を注いだ。
還暦をはるかに過ぎた七兵衛は自らの料理屋を持つ夢を
料理人に育てた太一郎に託したが、
料理屋を開く場所探しが難航する。
一年半が過ぎた頃、小名木川沿いに元は料理屋だった建物が
居抜きで貸し出されているという話が舞い込む。
七兵衛と下見をした太一郎は翌日、
海辺大工町の店に連れて行った妻の多恵のひと言で、
店をふね屋と名付けた。
ところが引越し早々、太一郎と多恵のひとり娘・おりんは
重い病に罹ってしまう。
高い熱が五日も下がらないおりんがとろとろしながら泣いていると、
頭からずり落ちた手ぬぐいをつかみあげ、涙を拭いてくれ、
おでこを撫でる冷たい手があった。
何とか仰向きになったおりんが目を開けると、
自分に覆い被さるように顔を突き出し、
あかんべえをする小さい女の子がいた。
この子が誰か考えながら眠ってしまったおりんは、
眠って…眠って…眠って、気がつくと三途の河原で、
愛想のいいおじいさんに声を掛けられる。


おりんだけが五人の亡者・・・おりん曰くの五人お化けさん全員を
見ることができる。
理由は最後に明かされるとはいえこれもある種の超能力であり、
まして主人公が子ども。
いかにも宮部さんという作品です。
時代小説なのでホラーではなく怪談と呼ぶ方が正しいのでしょうけれど、
でもおりんと小粋なお兄さん(自称)・玄之介とのやり取りが
どこかのどかというか何度も笑ってしまうのです。
玄之介がふわりと浮いている姿〜(m~-~)ノを見ているのに、
「玄之介さまは、やっぱり死んでいるのですね」と泣き出すおりん。
・・・可笑しいやら切ないやら。

三十年前、ふね屋がまだ墓地だった頃、
向かいの興願寺で起きた事件が発端。
亡者が見える人はその亡者と同じ心のしこりを持っている。
亡者が見える人は亡者と言葉が交わせる人は、
否応なく自分の過去と、心の闇と・・・欲と向き合わされる。

おりんに優しい玄之介もおみつもまた亡者。
ふね屋に棲み付いた五人の亡者が成仏できない理由。
人間の悋気と業の深さ。

まあ、勝次郎を一人前の包丁人に育てる以前に
ふね屋の今後が心配ではあるけれど、
まあ、玄之介が見立てた頃と太一郎の縫い代は変わったでしょうから。

それにしても笑い坊に会ってみたい、
というか是非揉み治療して頂きたい。
首も肩も腰も痛いのですよ〜(m~o~)m

「お侍さま、お化けですか?」
「見えないだろうけれど、ここにはあたしの仲良しのお化けさんたちがいるの。
だから心配ないのよ!」
あかんべえ〈下〉 (新潮文庫)あかんべえ〈下〉 (新潮文庫)
宮部 みゆき
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