【エッグ】

ふたりのアスリート。
女性シンガーソングライター。
NODA・MAP「エッグ」BOX(CD付)NODA・MAP「エッグ」BOX(CD付)
NODA・MAP(野田地図)
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2015年2月から4月にかけて、東京・パリ・大阪・北九州で上演された
NODA・MAP第19回公演【エッグ】。
1月23日(土)「Eテレシアター」にて地上波初放送。

劇場案内係の女性に制服姿の女子学生たちが劇場を案内されている。
お金がなくて工事が頓挫したその劇場の事務机で
寺山修司の書きかけの戯曲『エッグ』が見つかる。
この世に存在しない謎のスポーツ『エッグ』についての戯曲の原稿は、
案内係からその愛人の芸術監督の手に渡る。


もちろんお名前は存じ上げておりますが、
野田秀樹には俳優としてしか接しておりません故、
野田作品の作風も何も全くの白紙でございます。
しかも・・・というか今週も「Eテレシアター」なる枠があることを全く知らず、
気が付いたときには放送から10分以上過ぎていたもので、
冒頭に説明があったのかいきなり本編が始まったのかすらわからず。
ということである意味必死に観ておりまして(苦笑)、
ただ、今回はあら、野田秀樹だわ、
あら妻夫木聡、深津絵里、仲村トオル、橋爪功と超メジャー級のラインナップ。
あっ、先日【きらめく星座】で観た秋山菜津子もいる~!とちょっとミーハー。

何しろ野田作品だということすら知らないまま観始めて、
『エッグ』のルールも何もわからないままに、
熱狂する観客たちのパワーに引き込まれる。
ただ一番インパクトがあったのは苺イチエのあの歌声。
・・・個人的にはあまり好きではない椎名林檎のメロディーが
この舞台ではドはまり!
深津絵里の歌だけでもこの舞台に触れる価値がある。

で肝心のお話。
テンポの良さ・・・を通り越した展開の速さに
テレビ桟敷らしからぬ集中力を使う状況に
舞台にせよ映画にせよ下手な予備知識は無しで
白紙で観るのも考え物だわぁ・・・と少々お疲れモード。
苺イチエのファッションもあって近未来の話だと思っていたのですが、
"世界中の9割くらいのもののオーナーの娘"というチームのオーナー。
この意味不明の設定のその意味がだんだん飲み込めてくる。

オリンピックの出場権を巡る戦いに勝利するも、
実は『エッグ』はまだ正式競技ではない。
スター選手の競技生命のピークは過ぎていく。
東北出身の新星は頭角を現していく。
選手としても人生においても勢いに乗り、
4年後、再びオリンピックの出場権を手に入れる。

『エッグ』というスポーツの正体。
『エッグ』の競技場の実体。

熱狂の・・・その影で。
選手たちの背番号の意味すること。

戦争を知らない、体験したことがない私でさえ、
知識としてもどれほど悲劇があったのかを聞いている。
もちろん、現実はどれほど言葉を並べても
足りないでしょうけれど。

英雄だった阿倍比羅夫の悲劇。

取り残されて命を落とした人々がいる。
戦いに巻き込まれて、飢えて、病で命を落として・・・。
親を失い日本人孤児となった人々がいる。
自決という名の死に追い込まれた人々がいる。
敗戦間際に命を捨てざるを得なかった若者たちがいる。
敗戦を予期してさっさと逃げ延び、
先を見越して敵国アメリカの株を購入した人々がいる。

「さあこれからみんなで逃げるのよ。
そのお祝いにシャンパンを開けましょう。
ポンポン、ポンポンバカみたいに。
陽気でしょう。病気でしょう。
未来に向かってお祝いするの。
そうすれば4年前のことなんか忘れる。
40年前のことなんか。
400年前のことなんか。
ねぇ、もうどうでもいいでしょう。
過去から逃げましょう。」
エッグ/MIWA: 21世紀から20世紀を覗く戯曲集エッグ/MIWA: 21世紀から20世紀を覗く戯曲集
野田 秀樹
新潮社
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テーマ : 演劇
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : エッグ Eテレシアター 野田秀樹 妻夫木聡 深津絵里 仲村トオル 橋爪功 秋山菜津子 椎名林檎

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