「北京ヴァイオリン」(中国 2002年)

ヴァイオリンの才能あふれる少年と
息子を音楽の道に進めさせようとする父親。
映画レビューはネタバレしません。
B00008DYZ7北京ヴァイオリン
サントラ チャオリン 中国国立交響楽団
Sony Music Direct 2003-04-23

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 スクリーンで観たかった・・・。

中国のとある田舎町で暮らす13歳のチュンは父と2人暮らし。
母の形見であるヴァイオリンを上手に弾き近所の評判になっていた。
父リウは息子に質の高いヴァイオリンの教育を受けさせ
息子を大成させてやろうと必死に働き金を貯め、
コンクール出場のため北京へと旅立つ。
そしてリウはチュンに有名な先生の個人授業を受けさせるため
父子で北京に移り住むことに。


昔も今も中国は人脈がモノを言う世界だそうです。
以前何かで読んだのですが
初めて中国に行ったビジネスマンが
アポイントメントしてあったのにお目当ての方に会えず
途方に暮れているとタクシーで話したところ、
運転手さんがその方のところでお勤めしていたことがあるとかで
あっという間にお会いして商談もできた・・・と。
アポが意味を成さないということを
中国的というか欧米とは異質と見るかは別として・・・。

リウとチュンの父子には何のツテもコネない。
北京にも音楽業界にも。
リウがトイレで小耳に挟んだ言葉(!)を頼りに
息子の個人指導を頼み込んだのが世捨て人のような音楽教師チアン。
慣れない都会でチュンのレッスン代を稼ぐために必死に働く父。
ところが肝心のチュンは思春期真っ只中。
楽譜には女性のグラビアの切抜きが挟まり、
偶然知り合ったリりを通じて大人の世界を覗いていく。

傍目には華やかに見えるリリは稼いだお金を全て洋服代につぎ込む。
恋人に裏切られた(バースディーケーキが可愛い!)の心を
慰めるのがチュンの奏でるヴァイオリンの音色。
彼女がチュンを見る眼差しはいつしか母や姉のように。

若い日の失恋とお金で順番が決まるコンクールの現実に
音楽への情熱まで失ったチアン。
最初は左右違う色のソックスだったチアンが
(チュンが片付けたとはいえ)家の中はスッキリとし、
髪型も身なりもさっぱりして表情が優しくなっている。
いきり立っていたネコたちまで
毛ヅヤも良くなって穏やかな声で鳴いているし(=^..^=)ミャー

音楽は教えてあげられるけれど、
自分には社会的な後ろ盾がないから
君を成功させてあげるとは言えない
チアン対して
テクニックは教えられるが、感情は教えられない。
音楽で大切なのは心だ
と言うユイ教授。
その教授を先に住み込みの弟子になっていた少女が批判する。
チュンを手駒にするためにリウが打ち明けた秘密を暴露し、
チュン母の形見のヴァイオリンを利用する教授。
先生にこそ心がないと。
でもヴァイオリンの存在に気付いた時に
彼女に打算はなかったのかしら?
自分が選ばれようと選ばまいと・・・。

コンクールで優勝すれば・・・いう音楽業界の舞台裏。
社会主義の中国に蔓延る拝金主義と地方との経済格差。
大都会の繁栄を支える末端の労働者たちの姿。
リリの最新のファッションとお父さんの手編みのセーター。
そして北京駅・・・現在とあの時がシンクロする・・・。
クラシック音楽は全くわかりませんが
でもヴァイオリンの音色に泣いたのは初めてです。

中国版のタイトルは「あなたと共に」という意味だそうです。
英題は「Together」・・・それを聞いてラストシーンは納得。
あなたと共に・・・

スクリーンで観たかった・・・。
B00009XLKW北京ヴァイオリン 特別プレミアム版
タン・ユン チェン・カイコー リウ・ペイチー
ジェネオン エンタテインメント 2004-04-02

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together.jpgTogether(Region 1…U.S. and Canada only.)
Yun Tang, Peiqi Liu, Hong Chen, Zhiwen Wang, Kaige Chen
MGM (Video & DVD) 2003-11-18

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コメント

220.106.234.80
ご無沙汰してます (^_^)/
この作品、私もスクリーンで見たかったです。
時々、また見たくなる作品ですね。
リリーさんって監督の奥様なんだそうです。
アジア映画でも
韓国と中国・香港 日本や台湾・・・
微妙に色が違いますね。

220.220.14.226
tonicaさん、
こちらこそご無沙汰しております(ぺこり)。
スクリーンで観たかったし、
DVDにしてももっと早く観れば良かったと
妙に後悔させられる作品でした。
・・・私はあまり泣かない人なんですけど。
>韓国と中国・香港 日本や台湾・・・
 微妙に色が違いますね。
私は映画を観始めてから日が浅くて
日本や韓国映画のそれも一部としか比べられないのですが、
おっしゃるとおり違いますね。
でも懐かしいというか水に合うというか・・・。
>リリーさんって監督の奥様なんだそうです。
あら・・・夫婦競演だったんですね♪
またお邪魔させて頂きますのでよろしくお願いします。
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