「玲玲(リンリン)の電影日記」(中国 2004年)

幸せだった時にも悲しかった時にもいつも映画があった。
玲玲の電影日記 [DVD]玲玲の電影日記 [DVD]
シア・ユイ チアン・イーホン
アルバトロス
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 美しくて悲しくて切なくてやりきれなくて、
 でも優しい気持ちにしてくれた映画です。
 7月15日シアターキノにて。

北京で水の配達をして働く青年マオ・ダービン(毛大兵)は、
ある日の夕方自転車で通りに積まれたレンガに突っ込んでしまう。
起き上がろうとすると突然目の前に現れた少女に
レンガで頭を殴りつけられ気を失う。
仕事をクビになった上に自転車の弁償を求められていると聞き、
病院から警察に駆けつけるダービンは
自室の鍵と金魚にエサをあげて欲しいというメモを
当の少女から託される。


南北分断が韓国ものの大きなテーマになるように
中国では文化大革命は避けては通れないものかもしれません。
映画スターに憧れたチアン・シュエホア(江雪華)は
文革真っ只中の時代に未婚のまま女の子を産み落とす。
自己批判を強いられ白い目に晒されながらも
娘リンリンをを育てていく。

邦題は「玲玲(リンリン)の電影日記」ですが
主役はダービン役のシア・ユイ(夏雨)。
シュエホアのチアン・イーホン(姜易宏)、
パン・ターレン(潘大任)のリー・ハイビン(李海濱)の順。
リンリンの日記を通じて綴られる家族の物語であり、
その時代を彩る映画の物語であり・・・。

中に出てくる野外映画館での映画は中国かアルバニア。
文革時代の中国と友好関係にあったのは
北朝鮮とアルバニアの二カ国だけだったそうです。
そういえば未だにレビューにまとめられない「小さな中国のお針子」に
出てくる映画も北朝鮮映画でした。
・・・当然ながら革命や思想的なものばかり。

「小さな中国のお針子」での『本』、「玲玲」での『映画』。
本はいつでも手に取れるし読める、
映画は見ようと思えば見ることが出来る、
DVDもあるしテレビでも・・・。
一冊の本、一本の映画。
今とは比べ物にならない存在感。

去年くらいから意識して映画を見始めた私には
正直映画に対してそれほどの思い入れはありません。
でもお姉ちゃんなんだからと言われて悲しい思いをする
リンリンの気持ちは良くわかります。
周囲の目に映る幸せと母やバンおじさんにとっての幸せは
幼いリンリンの思う幸せとは一致しなかった。
不幸な事故と悲しい旅立ち・・・。

孤独に生きてきた少女が思い出すのは
母と通った星空の下の野外映画館だったり、
母と歌った歌だったり、
干したシーツに映る影の中での母とのダンスだったり、
幼馴染みの少年と追いかけた汽車だったり・・・。
思い出にはいつも幼い時に見た映画があって・・・。

母娘が(多分)当時の最新のファッションなのに対して、
シャオビンは汚い古ぼけた人民服。
服装で子どもに対する愛情を表したんだと思うんですが、
でも病院のシーツを洗って生活していたシュエホア。
髪型もですがそんな金銭的な余裕があったんでしょうか?
シュエホアが自分にかけるお金をもう少し倹約すれば
リンリンが夢を諦める必要はなかったし、
後の悲劇も生まれなかったと思うんですが。
・・・少年宮っていくらかかるのか知りませんが。

レンガで殴るというところから荒っぽいし
かなり強引な展開なんですが、
この家族に一体何があったのかがわかってからは
胸が苦しくなりました。
少女の絶望と悲しみを抱えての旅立ちと
一度にふたりの子を失った両親。
離れ離れになってしまった家族を結ぶものはやっぱり映画。

もう一度家族の歴史を作って欲しい。
そして自分で自分を孤独に追いやっていたリンリンに
笑顔を取り戻させて欲しいと祈らずにいられませんでした。
Electric ShadowsElectric Shadows
Yu Xia Haibin Li
First Run Features
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『玲玲(リンリン)の電影日記』

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玲玲の電影日記

202.248.89.962004年 中国 2006年5月公開 評価:★★★★ 原題:電影往事(夢影童年)

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210.165.9.64映画館にて「玲玲(リンリン)の電影日記」激動の文革時代を背景に、ノスタルジックに綴られたある家族の物語。北京で働くダービン(シア・ユイ)は、ある事故をきっかけに知り合った娘の日記を手にする。そこには彼女の幼い頃の思い出が綴られていた。その日記の内容に遡りながら物語は進む。「私は自分の人生の唯一の観客になろう!」という日記の書き出しからまず魅せられる。1971年といえば文革真っ最中。田舎町で、何の娯楽もない生活の中で、少女・玲玲(リンリン)とその母の楽しみは野外映画を見ること。少女の
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